ケニアに恋して

カテゴリ:HIV/AIDS( 25 )

結核の事

昨日はアンのお母さんがお買い物に付き合ってくれて、トウモロコシとキャベツとジャガイモをどっさり仕入れました。

タウンでは野菜が豊富に手に入るので嬉しい。

この前は「マナグ」という野菜を初めて料理しました。
この地域の野菜だというのですが、見た目は雑草としか思えない。
調理方法をアンの家族に習って早速食べてみると癖がなくておいしかったです。


今夜は買ってきた野菜を刻んで、スープを作ります。
コトコト煮込んで、ご飯を炊いてるこの時間に幸せを感じる今日この頃。




今週は1週間 chest clinic のお仕事を見学してました。

ここではTB(Tubercurosis)つまり、結核を主に扱っています。
それ以外にもハンセン病や皮膚病なども診ているそうです。
(結核以外の患者さんは見た事ないですが)


どうも過去の病気って印象が強いけど、日本は他の先進国に比べて感染者数は高い水準にあります。
結核は、感染しても症状の出ない潜伏感染が多い病気です。
世界人口の3人に1人、日本でも4人に一人が感染しているかも!と言われています。
(前に北野武さんがCMやってたよね)
免疫力が低下してくると発症する確率が高くなります。

日本で高齢者に患者が多いのは、若い時期に感染し、発症しないまま年月が過ぎ、今になって細菌が暴れだすっていう事らしい。
若い人だと、看護職の女性とか、外国人の患者が多ようです。

発症してても、本人に意識がなければ

「咳が続いてるけど、風邪かな?」

で、受診が遅れてしまう。

そうこうしてるうちに、細菌は空気中にばらまかれ、48時間感染力を持ったまま周囲の人達に広がっていく。

ああ、怖い。


結核はもう、時代劇や小説の中の薄幸の主人公だけの病気じゃないんだよ。



免疫力が低下するってことは、HIVに関わる人間としては切り離せない。
実際、HIVの感染率が高い地域では結核の患者も多くなります。

このchest clinic でも、結核患者さんのデータを見てると、3~5割の人達がHIVポジティブ。
AIDS患者の多くが結核で命を落とす危険がある。
日和見感染症の代表みたいなこの結核は、CD4の数値が比較的高くても発症してしまうようです。


結核の治療を困難にする事の一つに、耐性菌の問題があります。

最近の治療方針だと、耐性菌の誕生を防ぐためにいくつかの薬剤を組み合わせて勧められていきます。
基本的には6ヶ月間のスケジュールで行われますが、途中症状が改善すると放棄してしまう患者さんもいるんです。
そうすると、実はおとなしく見せかけて隠れている細菌が、今度はパワーアップしてまた暴れだす。

そうなるともう前と同じ薬では効かなくなっていて、更に治療が厄介になってしまうんです。
最近ではいくつもの薬剤に耐性を持ってしまった超耐性菌も確認されていて、恐ろしいったらありゃしない。


教訓

「咳が長く続く時は、早めにお医者さんに診てもらおう」
「結核の治療は最後まで!」


来週もchest clinic にいる予定なので、たくさん勉強させてもらいます。
結核のX線写真をこんなに見る機会は中々ないからね。

(でも、結核は肺だけじゃなく全身に感染するんだよね)



さて、ごはんが炊けました。

お米を食べる時ホッとする自分に、やっぱり日本人なんだなって感じるよ。
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by chura-harufu | 2010-04-17 01:49 | HIV/AIDS

HIV検査

ナイロビから戻って、今日は久しぶりの出勤でした。

久しぶりだから、なんとなく早く着いてしまい患者さんがいない。

暇だし、せっかくだからと自分のHIV検査をしてみる事に。

立場上やらなきゃと思いつつ、最近やってなかったからいいチャンスだ。


人に刺されるのやだから自分で自分の指をチクっと。
やっぱ痛い
私自身は採血されて倒れるタイプの人間です。
医療従事者なんだからと、いつも自分を奮い立たせて耐えてます。
そのぶん患者さんにもできるだけ精神的・肉体的な負担がないようにものすご~く神経使ってがんばってるつもりです。


検査結果を待つ間の15分間は、やっぱりちょっとドキドキするものです。

こういう精神状態を味わう事も、検査やカウンセリングする側には必要だって思うんだよね。
相手の気持ちを想いやれるようになれるはずだもの。


結果は無事陰性でした。

ホッ。

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ラインが1本は陰性。


仕事の後、検査してみたよってアンに話すと、
「私の血を持って行って検査してくるってできないの?」
だって。

病院行くのは怖いんだって。
その気持ちは分かる気がする。
そういう声を聞くのも大事だね。
(でも、できないからやっぱりVCTセンターに行かなきゃだめだよって言いました)
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by chura-harufu | 2010-04-07 00:12 | HIV/AIDS

複雑な状況

乾季が続いてるはずだと思っていたら、雨季が始まりかけているようです。
本来なら3月半ばからだと思うのだけど。
でも、今日は一日いいお天気でした。
道は水浸しだけど、雨上がりの町を歩いてるとピヨピヨとヒヨコがお母さんを追っかけてる姿についついほほえんでしまいます。
そんなナロクの町は今日も平和です。



さて、今日のANC roomの担当は男性スタッフのニャンドロ。
ちなみに彼はキシィ人。キシィ語のあいさつを習うことから始まりました。

ナロクに来て一週間ちょっと過ぎたけど、ケニア人の仕事のペースはやっぱり日本人の私にはびっくりするものがあります。

ここでは月に一回、受診者数や検査の回数、治療の種類などなど、報告書を作るのだけど今週はその業務にみんな夢中なようです。
どんなに患者さんが並んでいても、報告書優先。
受付だけでもしようかと思って私が動くと、「待たせておけ」と止められてしまいます。
患者さんたちの視線が痛い。
ひたすら耐える私。

1時間後、やっと報告書が仕上がって診察を開始するニャンドロはいたって普通です。
そこからいっきに仕事の量が増加して、猛スピードで片づける。
そんな私に驚くニャンドロ。
「マリエ、仕事が早いね。」
だって、日本では患者さんを待たせるのはかなりプレッシャーなんだよ。

どうも、ここの仕事のやり方は要領が悪いとしか思えない。
優先順位が違うんだよね。

とは言っても私の立場はあくまでよそ者です。
彼らの考えやペースを尊重しつつ、改善できる事を少しずつ伝えていければいいと考えているので、今はひたすら見守ろうと思ってます。
だって、いきなりやってきた外国人にがみがみ小言を言われたらいやだもんね?
結局、ケニアの事を一番知ってるのはケニア人だもの。



ところで、今日はあるマサイ人カップルがやってきました。
カップルでHIV検査を受けるパターンはちょっと珍しい。
(ホントはそれが理想なんだけど)

それには理由があって、彼らの1歳くらいになる子供が検診でHIV陽性だったから。
現在母親は二人目の子供を妊娠中。

それで私たちは母親と父親の両方にHIV検査をする事に。

最初、私もニャンドロも、両親ともHIV陽性で出るだろうと思っていました。

数分後、結果をチェックするため検査室へ行きました。


結果は、母親は陽性。

そして父親の方は陰性。


????


困った顔のニャンドロ。


地方に行くと多いのだけど、このカップルは英語はほとんど話せません。
スワヒリ語も、なんとか話せる様子。
マサイ人のメディカルアシスタントを呼んできて今回の結果についてマサイ語で説明してもらいました。

こんな風に、男性と女性のHIVステータスが違う場合をDiscordant couple と言います。
それ自体はたまにある事なんだけど、この夫婦のようにすでに子供がいて、妊娠してて、男性の方が陰性ってちょっと珍しい。
ニャンドロもこの10年間で初めてのケースだと、納得いかない顔をしていました。

とりあえずこの親子をCCCに連れて行って母子感染を防ぐ治療、母親本人に対する治療が開始される事に。


このカップルの、それぞれの立場になったつもりで考えてみたい。
実際に何があってこの結果なのかは誰にも分からないのだけれど。

お互いの愛情とか信頼関係とか、そんなものが問われる状況だと思う。
こういう時、どれくらい相手を想いやれるかって、難しい気がする。
このカップルが、この先もお互いを思いやって支え合ってくれるといいなってホントに思うよ。

彼らの小さな子供を抱き上げて、あやしている私の姿を嬉しそうに眺める二人の笑顔はとても幸せな夫婦に見えたから。
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by chura-harufu | 2010-03-05 02:25 | HIV/AIDS

私の職場

先週末、ホテルでのんびりごはんを食べていると、後ろから声をかけられました。
中国人男性で、マサイマラへ行った帰りに今夜このホテルに滞在しているのだとか。
それで聞かれた事が、この辺に中華料理か日本料理のレストランはないか?だって。
この辺で見た事ないし、いつも地元の料理を食べていると言うと変な顔をされた。
旅行に来てわざわざ中華料理食べるなんてって逆に思うんだけど。
中華料理を食べたいなら中国に帰ればいいじゃんって思ってしまった。
どう思います?


さてさて。
今日も元気に出勤。
いつもお昼にマンダージをもらってばかりなので今日はバナナを持参しました。
通勤途中の市場で一房20Ksh(24円くらいかな)。安いでしょ。
みんなで一緒に食べました。

私の職場はNarok District Medical Office of Health(ナロク県保健事務所)
坂の上の県立病院の中にあります。
前にも書いたけど、その中のCCCと言われる部署が私の本来の職場ですが、私自身が母子感染に興味があると希望した事もあって今はANC/FP という部署で働いています。
ANC=Antenatal Care (出産前の妊婦さんのケア)
FP=Family Planning (家族計画)

ここ数日はこのANC roomでお世話になっています。

ANCでは、妊婦さんの健康管理が主な仕事です。
超音波なんてここにはないので触診で妊娠週数を予測します。
(子宮がおヘソの位置に来たら大体20週目くらいなんだって)
頭の位置も手で探り当てて逆児になってないかをチェックします。
たまに私も触らせてもらいますが、慣れてないので怖くて押せない。
看護師さんには「もっとぐっと押して!」って言われますが、中々難しい。
赤ちゃんの心音も聴診器ではなくてFetal scope という小さなメガホンみたいなので聞きます。
それでもちゃんと「トットットッ」と聞こえてくるから幸せな気分になります。
「赤ちゃん、元気だよ」って言うと、やっぱりママたちも嬉しそう。


その他には妊娠週数に応じて破傷風の予防接種、マラリア予防薬投与、ITN:Insectcide treated nets(殺虫剤処理済みの蚊帳)の配布をします。
破傷風は、自宅出産が多く、動物(特にロバとか)と一緒にいる環境での出産は感染リスクが高まる為予防が必要になってくるんだそうです。
マラリアの予防薬なんて日本では普通ないから、やっぱり違うんだな~って感じます。


あと、やっぱり重要なのは初診の妊婦さんへのHIVテスト。
母親がHIV陽性の場合、ケアをしなければ30~40%くらいの確率で子供に感染します。
逆に適切の治療をしながらの出産ならその確率を1%以下にまで下げられる。
なので、早めにお母さんが自分のステータスを知っている事はとても大事。
それで毎日新規の妊婦さんには検査を実施しています。

なんですが、気付いた事は在庫管理がとてもあいまい。
先週から検査に使うバッファーが切れているので検査ができないのです。
別の部署に行って借りてきたり、その場しのぎで検査して、それでもなくなったら「また次の受診日に」となってしまう。

それではせっかく今日来てるのに、手遅れになったらどうするんだ?って思うのですが…。
この辺に問題を感じ始めました。
改善策を考えて提案してみたいと思います。


私がここに来てからはHIV陽性の方が2人出ました。
一人は16歳の女の子で、検査結果を受け入れられなくて、私たちが見ていないうちに検査キットを引っ掻いて結果を消してしましました。
それで再度検査をする事に。
やっぱり陽性。
私に向かって「もう私は死んじゃうんでしょ?私の赤ちゃんも死んじゃうんだ!」とパニックになってしまいました。
「お薬を飲んで治療すれば、あなたも赤ちゃんも大丈夫だよ!」
と説得してももう何も聞こえない様子。

その後CCCに連れていかれたので、治療が開始されたようです。

HIVのケアで大事なのは、何よりカウンセリングだと思っています。
HIVの治療についての説明もだけど、メンタル面で支えてあげる事が必要だから。
今の世の中では病気そのもの以上に精神的なダメージの大きい病気だと思うんだ。

今の私では語学力も経験も足りなくてうまく言葉をかけれなかったのが心残り。もっと勉強して、経験を積まなきゃって思いました。


日本で検査技師をしてて、患者さんからの距離が遠い事が満足できなくて、もっと近づきたいと思ってた。
今このケニアでは、ちゃんと自分の手の届くところに患者さんがいて、自分の手で何かができそうだなって感じてる。
何かの役に立てますように。
きっと頑張れるよね。


写真はANC room の前の待合室。左は料金支払い所。マサイの方たちがたくさん来ます。
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by chura-harufu | 2010-03-02 00:36 | HIV/AIDS

初出勤

昨日、ナロクに赴任してきてやっと隊員らしくなってきました。

夜ごはんは偶然JICAの専門家の方が同じホテルに宿泊していると知ってちゃっかりご一緒させていただきました。
カウンターパートにあたる地元の方と一緒にお話をしたのですが、けっこう楽しかったです。
ナロクの情報などもちょこちょこいただきました。

やっぱり、この町はマサイマラの影響を受けてるみたい。
外国人は割と多いんだけど、ケニア人もマサイマラに行く途中なので旅行客がけっこう来るんだそうです。
人の出入りがあるってことはHIV対策の面から考えるとちょっとリスクが高くなるってことなんだけど、さてどうだろう?

今朝から早速初出勤。
職場に着いて、まずは上司と相談し、今後何をしていくか話し合いました。
希望を聞かれたので
・デフォルタートレーシング(治療を途中でやめてしまった人達の追跡)
・PMTCT(母子感染予防)
・アウトリーチ(出張でVCTや検診、ワクチン接種)
に興味があると答えました。

というわけで、今日はPMTCTからスタート。

ANC(Antenatal Care)でお世話になる事に。
ここでは妊婦さん達のケアを中心にしています。

私に与えられた仕事はクライアントの記録。
母子手帳を見ながらバイタル、妊娠週数、投薬・予防接種状況・検査結果などを記入してい来ます。
ここで難しいのは名前や住所が読めないって事(><)
ケニア人の名前には馴染みがないので覚えるのも時間がかかってしまうのです。

それでもなんとかこなしていくうちに要領が分かってきました。
お昼にマンダージとチャイで休憩して午後の部がスタート。
その頃にはだいぶ慣れてきました。

看護師さんたちも仕事の合間に色々と教えてくれます。
英語とスワヒリ語がごちゃ混ぜの会話だけど、なんとかがんばってついていく。
専門用語は割と聞けるので助かります。

午後には妊婦さんのHIV検査、子宮頚癌のスクリーニング、FP:Family Planing(腕にインプラントするの初めて見た)を見学。
更に薬やワクチンの種類や投与方法を説明してもらったり、コンドームディスペンサーの補充を手伝ったり。

そんなに忙しくないんだけど覚える事がたくさんあって、勉強しなきゃな~って気が引き締まる。

今日はHIV陽性の人はいなかったけど、ここでは月に5~6人程度が陽性で出るらしい。
月に来る妊婦さんが500人弱くらいで、そのうち新規は160人程度。
初診で来る人の3.5~4%くらいがHIV陽性。

明日もまた同じ部署に行く事になったので、今日やった事を復習して、やる事や知りたい事を考えて行こう。

初出勤はそんな調子で終了。
職場の雰囲気は、みんな優しくて良い感じです。
今の時期は過ごしやすいみたいで、日に当たるとちょっと暑いけど、日陰のベンチに座って風を感じるのはとても心地いい。
中庭に牛が入り込んで草を食べてる姿はびっくりするけど見てるとなんかまったりするし、子供たちはとってもかわいい。
この職場でうまくやっていけそうな気がするよ。

明日も頑張ります。
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by chura-harufu | 2010-02-24 23:52 | HIV/AIDS



青年海外協力隊(エイズ対策)としてケニアでの生活をお伝えします
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